出前授業のご報告(山田小学校①)

 2023年2月3日(金)、恩納おんな村博物館にて山田小学校4年生を対象に、「世界とつながる山田グスク」と題した出前授業を行いました。講師は恩納おんな村博物館の崎原恒寿つねひささん(恩納おんな村教育委員会)、山田浩世こうせい(教育庁文化財課史料編集班)が務めました。

 山田グスクで多数出土する中国産の青磁せいじ白磁はくじなどの貿易陶磁器とうじきは、14~16世紀に琉球王国が展開した海外交易を物語る貴重な歴史資料です。授業の前半では、崎原講師によるこれらの出土品を実際に「見て、触って、観察する」体験学習が行われました。児童たちは、はじめて手にする身近な地域の史跡しせきからの出土品に、興味津々、興奮こうふん気味のようすでした。

中国製の青磁せいじを触って確認する児童たち
宝案ほうあんの事例をわかりやすく解説する山田講師

 後半は、これら山田グスクから出土した陶磁器とうじきや日本刀の破片はへん夜光貝やこうがいなど、モノ資料が物語る琉球王国の中継貿易ちゅうけいぼうえきについて、山田講師より『歴代宝案れきだいほうあん』に記録された文書もんじょ事例をもちいた説明が行われました。文書もんじょに記録された具体的な交易相手国の国名や、年月日、青磁せいじ白磁はくじの大きさや数量が記録された『歴代宝案』の内容に、児童たちは、驚きと共に感心したようすで聞き入っていました。

  今回の授業は、山田小学校の児童にとって、身近な地域がかつて海を越え、広い世界とどのようにつながっていたのかを知る「ふるさと再発見」の機会となったようでした。

 なお、本授業で使用した教材は「もっと知りたい交流史」デジタル教材を参照ください。