出前授業のご報告(山田小学校②)
2023年2月3日(金)、恩納村博物館にて山田小学校6年生を対象に、「恩納村の文化財から琉球の歴史を知ろう」と題した出前授業を行いました。講師は恩納村博物館の崎原恒寿さん(恩納村教育委員会)、野村直美(教育庁文化財課史料編集班)が務めました。
![](https://ryuoki-archive.jp/wp/wp-content/uploads/2023/04/1472bf90f67361620a3de77c2cfbfee4-1024x683.jpg)
道光4(1824)年12月6日、恩納村の仲泊海岸に6名の中国人が漂着したことが『歴代宝案』に記載されています。この漂着事件で死亡した人々の墓が、恩納村博物館前に残されている「唐人墓碑」(恩納村指定文化財)です。
授業の前半では、崎原講師が、「唐人墓碑」の前で、墓碑に刻まれた内容や保存の経緯について説明しました。児童たちは、この墓碑の存在を知らなかったか、もしくはどのようなものか認識していなかったようで、「はじめてこの墓碑の意味を知った」と驚きをもって耳を傾けていました。
後半では、場所を博物館研修室に移して、野村講師による『歴代宝案』と「琉球交易港図屏風」(浦添市美術館所蔵)を用いた体験学習が行われました。児童たちは2人一組となり、タブレット端末で「琉球交易港図屏風」に描かれた風景や人物を拡大しながら、気が付いたことを付箋紙に書き原寸大の屏風に貼っていきました。
![](https://ryuoki-archive.jp/wp/wp-content/uploads/2023/04/6ab27f8164b4e51a1c37d6e0f84b51be-1024x683.jpg)
![](https://ryuoki-archive.jp/wp/wp-content/uploads/2023/04/1419572fbdc271a2313acb1dae2a4167-1024x683.jpg)
児童の振り返りシートからは、「『歴代宝案』には、いつ、どこで、どのような事が起きたか、など細かい情報もすべて書かれていることが分かった」「呂正は中国に帰った時、どういう気持ちだったのかな」など、今回の授業を通して、漂着事件を「自分事」として捉えられている姿が見られました。
なお、本授業で使用した教材は「もっと知りたい交流史」のデジタル教材を参照ください。