1-42-27　琉球国中山王世子尚清の、益沙毎等を仏大泥国へ遣わす執照（一五三〇、八、二一）
琉球国中山王世子尚清、見に進貢等の事の為にす。
切に照らすに、本国は産物稀少にして貢儀を欠乏し、深く未便と為す。此の為に今、正使益沙毎・都通事梁椿を遣わし、天字号海船一隻に坐駕し、磁器等の貨を装載し、仏大泥国の出産の地面に前往して両平に蘇木・胡椒等の物を収買せしむ。回国して預め下年に大明天朝に進貢するに備う。
所拠りて今差去する人員は、別に文憑無くば誠に所在の官司の盤阻して便ならざるを恐る。王府、除外に今、黄字九号半印勘合執照を給して正使益沙毎等に付し、収執して前去せしむ。如し経過の関津把隘の去処及び沿海巡哨の官軍の験実に遇わば、即便に放行し、留難して因って遅悞して便ならざるを得しむる毋れ。所有の執照は須らく出給に至るべき者なり。
今開す
正使一員　益沙毎
副使二員　金志良　馬不他
都通事一員　梁椿
通事一員　梁顕
火長一名　紅芝
管船直庫一名　呉剌毎
梢水共に一百十三名
嘉靖九年（一五三〇）八月二十一日行す
右の執照は正使益沙毎・都通事梁椿等に付し、此れに准ぜしむ
進貢等の／事の為にす　執照