1-32-24　世子尚豊の、請封と謝恩のため正議大夫蔡廛等を遣わす執照（一六二五、二、一九）
琉球国中山王世子尚（豊）、請封、謝恩等の事の為にす。
今、特に正議大夫・使者・通事等の官の蔡廛等を遣わし、表・疏を齎捧せしむ。船隻に坐駕し、具陳の方物の金結束金起沙魚皮紋靶金鑲全鞘腰刀二把・銀結束銀起沙魚皮紋靶銀鑲全鞘腰刀二把・鍍金銅結束紅漆鞘糸線纒靶腰刀十把・鍍金銅結束紅漆鞘衮刀六把・鍍金銅結束紅漆鞘貼金柄鎗六把・貼洒金銀山水描画松雉牡丹等花景帷屛一対・漂白嫩苧布五十匹・練光嫩蕉布五十匹を解運し、京に赴きて謝恩す。拠りて差わす員役は、別に文憑無くば誠に所在の官司の盤阻して便ならざるを恐る。理として合に給照すべし。此の為に今、仁字第十一号半印勘合執照を給し、通事梁廷器等に付し、収執して前去せしむ。如し経過の関津把隘の去処及び沿海巡哨の官軍の験実に遇わば、即便に放行し、留難し遅悞して便ならざるを得しむる毋れ。須らく執照に至るべき者なり。
計開　　　　赴京の
正議大夫一員　蔡廛　人伴八名
使者一員　毛鳳威　人伴五名
通事一員　蔡祚隆　人伴二名
存留在船使者二員　蔡秀　馬甘美　人伴四名
存留在船通事一員　梁廷器　人伴二名
管船火長・直庫二名　王治　茂度
梢水共に五十名
附搭の土夏布二百匹
右の執照は存留通事梁廷器等に付し、此れに准ぜしむ
天啓五年（一六二五）二月十九日給す
執照

注＊『明実録』天啓五年十二月壬午の条に関連の記事がある。