1-32-20　国王尚寧の、倭の情勢を報ずるため都通事蔡廛等を遣わす執照（一六一六、二、一八）
琉球国中山尚（寧）、倭情を報ずる事の為にす。
今、特に都通事蔡廛等を遣わし、咨文一通を捧じ、土小船に坐駕し、水梢を率領し、福建等処承宣布政使司に前赴して告投せしむ。別に文憑無くば誠に所在の官司の盤阻して便ならざるを恐る。王府、今、洪字第六十七号半印勘合執照を給し、通事蔡廛に付し、収執して前去せしむる所以なり。如し経過の関津把隘の去処の験実に遇わば、即便に放行し、留難し遅悞して便ならざるを得しむる毋れ。須らく執照を給するに至るべき者なり。
計開
都通事一員　蔡廛　人伴五名
水梢共に十二名
右の執照は都通事蔡廛等に付し、此れに准ぜしむ
万暦四十四年（一六一六）二月十八日給す
執照

注＊『明実録』万暦四十四年六月乙卯の条に関連の記事がある。また〔〇七-一七〕を参照。