1-32-13　国王尚寧の、進貢謝恩のため王舅毛鳳儀等を遣わす執照（一六〇六、一〇、一八）
琉球国中山王尚（寧）、進貢、謝恩等の事の為にす。
今、特に王舅・正議大夫・使者・通事等の官の毛鳳儀等を遣わし、表箋文各一通を齎捧せしむ。夷梢を率領し、海船一隻に坐駕し、馬六匹・生硫黄一万斤・金靶鞘腰刀二把・銀靶鞘腰刀二把・黒漆靶鞘鍍金銅結束腰刀二十把・黒漆靶鞘鍍金銅結束衮刀一十把・黒漆靶鞘鍍金銅結束鎗一十把・糸線穿鉄甲一領、鍍金護手護臁各全・鉄盔一頂・黒漆貼雕金花鑲銀馬鞍一坐、轡頭踩蹬前後牽䩜各項件全・金彩画屛風二対・貼金銀面扇一百把・貼片銀面扇二百把・素倭扇二百把・倭銅五百斤・土糸綿二百斤・紅花五百斤・土苧布一百匹・蘇木三千斤を装載し、京に赴き進貢し謝恩す。
所拠りて今差去する官員は、別に文憑無くば誠に所在の官司の盤阻して便ならざるを恐る。王府、除外に今、洪字第四十二号半印勘合執照を給し、通事金応斗等に付し、収執して前去せしむ。如し経過の関津把隘の去処及び沿海巡哨の官軍の験実に遇わば、即便に放行し、留難し遅悞して便ならざるを得しむる毋れ。須らく執照に至るべき者なり。
今開す　　赴京の
王舅一員　毛鳳儀　人伴一十名
正議大夫一員　鄭道　人伴一十名
使者一員　芝巴那　人伴五名
通事一員　毛国鼎　人伴二名
存留在船使者四員　毛鳳威　馬三魯
馬成麟　麻三奴　人伴一十名
存留在船通事二員　金応斗　蔡宗貴　人伴四名
冠帯舎人一員　林華　人伴一名
貢謝の方物を除く外、附搭の土夏布二百匹
梢水共に七十四名
右の執照は存留通事金応斗等に付し、此れに准ぜしむ
万暦三十四年（一六〇六）十月十八日給す
執照

注（1）金応斗　一五七七-一六一四年。久米村金氏（阿波連家）七世。官は正議大夫に陞る（『家譜（二）』七六頁）。