1-32-01　世子尚寧の、進貢のため正議大夫鄭礼等を遣わす執照（一五九三、一二、二六）
琉球国中山王世子尚（寧）、進貢等の事の為にす。
今、特に正議大夫・使者・通事等の官の鄭礼等を遣わし、表文一通を齎捧せしむ。小船一隻に坐駕し、馬四匹・生硫黄一万斤を装載して京に赴き進貢す。所拠りて今差去する人員は、別に文憑無くば誠に所在の官司の盤阻して便ならざるを恐る。本府、除外に今、洪字第八号半印勘合執照を給し、通事蔡奎等に付して、収執して前去せしむ。如し経過の関津把隘の去処及び沿海巡哨の官軍の験実に遇わば、即便に放行し、留難して因って遅悞して便ならざるを得しむる毋れ。所有の執照は須らく出給に至るべき者なり。
計開　　　赴京の
正議大夫一員　鄭礼　人伴一十名
使者一員　馬富多　人伴五名
通事一員　蔡奎　人伴二名
存留在船使者二員　馬鐘美　遠達魯　人伴四名
存留在船通事一員　陳栄　人伴二名
管船火長・直庫二名　陳営　呉度姑頼
附搭の土夏布二百匹
右の執照は通事陳栄等に付し、此れに准ぜしむ
万暦二十一年（一五九三）十二月二十六日給す
進貢等の／事の為にす　執照

注＊『明実録』万暦二十二年十一月己亥の条に関連の記事がある。
（1）陳営　生没年不詳。久米村陳氏（仲本家）七世（『家譜（二）』四九〇頁）。