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資料詳細
- 資料ID.
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- 資料種別
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- 資料名
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- 歴代宝案巻号
- {{ryu_data.f10}}集 {{ryu_data.f11}}巻 {{ryu_data.f12}}号
- 著者等
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- タイトル
- 中国暦
- {{ryu_data.f17}}年 {{ryu_data.f18}}月 {{ryu_data.f19}}日
- 西暦
- {{ryu_data.f13}}年 {{ryu_data.f14}}月 {{ryu_data.f15}}日
- 曜日
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- 差出
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- 宛先
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- 文書形式
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- 書誌情報
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- 関連サイト情報
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- 訂正履歴
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- 備考
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テキスト
1-41-17 琉球国王尚徳より朝鮮国あて、日本の商船に託して返礼する咨と別幅(一四七〇、四、一)
琉球国王尚徳、朝鮮国王殿下に奉復す。
比頒恵を蒙り、敢えて拝嘉せざらんや。且つ賢王の起居の益々康きを審らかにし、甚だ傾企を慰む。敝邦と貴国と江漢の遠きを隔つと雖も、而も聘献の礼未だ嘗て輟むこと或らず。王の孤を鄙しまざるに非ざれば、能く是くの如からんや。近ごろ日本国の商舶、書信并びに礼儀を致すに因り、俱に已に収受して心に銘刻す。茲に其の帰るに因り、新右衛門尉平義重を順遣し、聊か土儀を致す。另に別幅に申し、少しく厚貺の万一に酬いん。笑留すれば惟れ幸なり。更に希わくは序に順い保嗇せんことを。
右、朝鮮国に咨す
成化六年(一四七〇)四月初一日
別幅
闊綿布二匹 色線花布二匹
粧花膝襴二匹
棋子花異色手巾二条
彩色糸手巾二条
綿布染花手巾二条
御磚堦長錦二匹
織金孔雀青段二匹
黒骨摺扇二十把 犀角六個
象牙四条一百斤 水牛角二十個
孔雀尾翎三百根 玻瓈瓶二隻
白地青花盤二十個
白地青花碗二十個 青盤二十個
大青碗五十個 小青碗一百個
束香五十斤 降真香一百斤
檀香五十斤 木香二十斤
丁香二十斤 肉荳蒄二十斤
蓽撥二十斤 鳥木一百斤
蘇木二百斤 胡椒二百斤
番錫二百斤 大腰刀二把事件全
鸚鵡一隻 鴝鵒一隻
白鵒一隻 天竺酒一甕
注*本文書は〔三九-〇六〕に対する返書である。朝鮮から受けた莫大な礼物に対し南方産の貴重な品物を中心に多数返礼している。本文書は国王名が尚徳、日付が成化六年(一四七〇)四月初一日という点で注目される。『世譜』では尚徳は成化五年四月二十二日に死去となっているからである。
又、本文書が朝鮮国側で受領された記録はなく、時期的にほぼ符合する『李朝実録』成宗二年(成化七年)十一月庚子の条他に記される琉球国王尚徳の使の名は、僧自端西堂と平佐衛門尉信重で、もたらした書も全く別文である。なお『歴代宝案』には、これ以降、万暦四十年のものと思われる〔四一-二〇〕まで、朝鮮国王宛の咨文は収録されていないが、『李朝実録』には、これ以後にも尚徳や尚円の名による数多くの遣使の記録があり、従来の研究では、琉球国使を称する偽使・偽書とみなされてきた(小葉田淳『増補中世南島通交貿易史の研究』第一篇第五章、臨川書店、平成五年。東恩納寛惇「朝鮮との交通」『東恩納寛惇全集 第三巻』第一書房、昭和五四年。田中健夫「琉球に関する朝鮮史料の性格」『中世対外関係史』東京大学出版会、一九七五年、ほか)。しかしこの時期が、クーデターによる第一尚氏と第二尚氏の王統交替期であることから、これらの使者を、琉球国の中央権力の不安定な情勢に乗じて豪族たちが行動したものとみる和田久徳「琉球と李氏朝鮮との交渉」(『東アジア世界の歴史的位相』東京大学出版会、一九九二年)や、これらの使者は「第二尚氏とは親密でない人々によって構成される」とする高橋公明「朝鮮外交秩序と東アジア海域の交流」(『歴史学研究』五七三、一九八七年)などの見解が提出されている。
(1)日本国の商舶、書信并びに礼儀を致す 書信は〔三九-〇六〕。この書信と礼物を朝鮮から琉球へもたらしたのは、世祖十三年(成化三)に琉球国王使として朝鮮に赴いた僧同照と東渾(『李朝実録』世祖十三年七月丙子の条)であるが、彼らは「九州の人」(同年八月己亥の条)とある。
(2)新右衛門尉平義重 総注に記した平佐衛門尉信重と同一人であるとする説もあるが典拠はない。時期は異なるが『李朝実録』成宗八年(成化十三)六月辛丑の条に、この時来聘した琉球国王尚徳の副使として「新右衛門尉」の名がある。ちなみに、この時の尚徳の書中には「成化六年、道を日域に仮りて、博多の信重を倩い、書を奉った」という記述がある。
(3)順遣 便乗して遣わす。
(4)花布 更紗。色線は未詳。
(5)膝襴 蔽膝に同じか。粧花は模様を織り出すことか。
(6)棋子花異色手巾 『瀛涯勝覧』の古里国(カリカット)の条に「国人亦将蚕糸練染各色。織間道花手巾。闊四、五尺。長一丈二、三尺…」とあり、縞の模様の絹布であるが、あるいはこれに類するものか。棋子は碁石。
(7)御磚堦長錦 未詳。
(8)玻瓈瓶 破璃瓶に同じ。ガラス瓶。
(9)白地青花盤 青花は日本でいう染付け。呉須を用いて生地に藍色の模様を描き、その上に無地の釉をかけて焼いた磁器。盤は皿。
(10)肉荳蒄 バンダ諸島原産の常緑喬木。果実の内に仮種皮があり、その中に堅い種子がある。仮種皮がメース、種子がナツメッグ。香料・薬用として用いられる。
(11)蓽撥 ひはつ。薬草の名。辛香と辛烈の味を持つ。
(12)鴝鵒 九官鳥。
琉球国王尚徳、朝鮮国王殿下に奉復す。
比頒恵を蒙り、敢えて拝嘉せざらんや。且つ賢王の起居の益々康きを審らかにし、甚だ傾企を慰む。敝邦と貴国と江漢の遠きを隔つと雖も、而も聘献の礼未だ嘗て輟むこと或らず。王の孤を鄙しまざるに非ざれば、能く是くの如からんや。近ごろ日本国の商舶、書信并びに礼儀を致すに因り、俱に已に収受して心に銘刻す。茲に其の帰るに因り、新右衛門尉平義重を順遣し、聊か土儀を致す。另に別幅に申し、少しく厚貺の万一に酬いん。笑留すれば惟れ幸なり。更に希わくは序に順い保嗇せんことを。
右、朝鮮国に咨す
成化六年(一四七〇)四月初一日
別幅
闊綿布二匹 色線花布二匹
粧花膝襴二匹
棋子花異色手巾二条
彩色糸手巾二条
綿布染花手巾二条
御磚堦長錦二匹
織金孔雀青段二匹
黒骨摺扇二十把 犀角六個
象牙四条一百斤 水牛角二十個
孔雀尾翎三百根 玻瓈瓶二隻
白地青花盤二十個
白地青花碗二十個 青盤二十個
大青碗五十個 小青碗一百個
束香五十斤 降真香一百斤
檀香五十斤 木香二十斤
丁香二十斤 肉荳蒄二十斤
蓽撥二十斤 鳥木一百斤
蘇木二百斤 胡椒二百斤
番錫二百斤 大腰刀二把事件全
鸚鵡一隻 鴝鵒一隻
白鵒一隻 天竺酒一甕
注*本文書は〔三九-〇六〕に対する返書である。朝鮮から受けた莫大な礼物に対し南方産の貴重な品物を中心に多数返礼している。本文書は国王名が尚徳、日付が成化六年(一四七〇)四月初一日という点で注目される。『世譜』では尚徳は成化五年四月二十二日に死去となっているからである。
又、本文書が朝鮮国側で受領された記録はなく、時期的にほぼ符合する『李朝実録』成宗二年(成化七年)十一月庚子の条他に記される琉球国王尚徳の使の名は、僧自端西堂と平佐衛門尉信重で、もたらした書も全く別文である。なお『歴代宝案』には、これ以降、万暦四十年のものと思われる〔四一-二〇〕まで、朝鮮国王宛の咨文は収録されていないが、『李朝実録』には、これ以後にも尚徳や尚円の名による数多くの遣使の記録があり、従来の研究では、琉球国使を称する偽使・偽書とみなされてきた(小葉田淳『増補中世南島通交貿易史の研究』第一篇第五章、臨川書店、平成五年。東恩納寛惇「朝鮮との交通」『東恩納寛惇全集 第三巻』第一書房、昭和五四年。田中健夫「琉球に関する朝鮮史料の性格」『中世対外関係史』東京大学出版会、一九七五年、ほか)。しかしこの時期が、クーデターによる第一尚氏と第二尚氏の王統交替期であることから、これらの使者を、琉球国の中央権力の不安定な情勢に乗じて豪族たちが行動したものとみる和田久徳「琉球と李氏朝鮮との交渉」(『東アジア世界の歴史的位相』東京大学出版会、一九九二年)や、これらの使者は「第二尚氏とは親密でない人々によって構成される」とする高橋公明「朝鮮外交秩序と東アジア海域の交流」(『歴史学研究』五七三、一九八七年)などの見解が提出されている。
(1)日本国の商舶、書信并びに礼儀を致す 書信は〔三九-〇六〕。この書信と礼物を朝鮮から琉球へもたらしたのは、世祖十三年(成化三)に琉球国王使として朝鮮に赴いた僧同照と東渾(『李朝実録』世祖十三年七月丙子の条)であるが、彼らは「九州の人」(同年八月己亥の条)とある。
(2)新右衛門尉平義重 総注に記した平佐衛門尉信重と同一人であるとする説もあるが典拠はない。時期は異なるが『李朝実録』成宗八年(成化十三)六月辛丑の条に、この時来聘した琉球国王尚徳の副使として「新右衛門尉」の名がある。ちなみに、この時の尚徳の書中には「成化六年、道を日域に仮りて、博多の信重を倩い、書を奉った」という記述がある。
(3)順遣 便乗して遣わす。
(4)花布 更紗。色線は未詳。
(5)膝襴 蔽膝に同じか。粧花は模様を織り出すことか。
(6)棋子花異色手巾 『瀛涯勝覧』の古里国(カリカット)の条に「国人亦将蚕糸練染各色。織間道花手巾。闊四、五尺。長一丈二、三尺…」とあり、縞の模様の絹布であるが、あるいはこれに類するものか。棋子は碁石。
(7)御磚堦長錦 未詳。
(8)玻瓈瓶 破璃瓶に同じ。ガラス瓶。
(9)白地青花盤 青花は日本でいう染付け。呉須を用いて生地に藍色の模様を描き、その上に無地の釉をかけて焼いた磁器。盤は皿。
(10)肉荳蒄 バンダ諸島原産の常緑喬木。果実の内に仮種皮があり、その中に堅い種子がある。仮種皮がメース、種子がナツメッグ。香料・薬用として用いられる。
(11)蓽撥 ひはつ。薬草の名。辛香と辛烈の味を持つ。
(12)鴝鵒 九官鳥。