2-96-07　世子尚成の、接貢および報喪のため、都通事鄭天眷・正議大夫梁允功等を派遣するむねの執照（嘉慶八《一八〇三》、八、七）
琉球国中山王世子尚（成）、勅書を恭迎し、併びに使臣を接回する事の為にす。
照得するに、敝国は業に嘉慶七年夏に於て貢使の耳目官向銓・正議大夫梁煥等を遣わし、表章・方物を齎捧し、天朝に入貢す。業経に福建等処承宣布政使司に移咨し、起送して京に赴き、聖禧を叩祝して案に在り。
茲に還国の期に当たれば、例として応に船を撥して接回すべし。此れが為に特に都通事鄭天眷等を遣わし、梢役共に八十七員名を帯領し、海船一隻に坐駕し前みて福建に至り、皇上の勅書・欽賞の物件を恭迎し、併びに京回の使臣向銓・梁煥・蔡清派を接り、在閩の存留通事蔡戴尭等と与に還国するの外、報喪使の正議大夫梁允功一員・跟伴一十二名を附搭し、父の喪を稟報せり。
但だ差去せる員役は、文憑無ければ、以て各処の官軍の阻留して便ならざるを致すを恐る。此れが為に、王府の礼字第一百七十六号の半印勘合執照一道を給発し、存留通事鄭育駿等に付し、収執して前去せしむ。如し経過の関津及び沿海巡哨の官軍の験実に遇えば、即便に放行し、留難して阻滞するを得ること毋からしめよ。須らく執照に至るべき者なり。
計開
正議大夫一員　　　梁允功　跟伴一十二名
在船都通事一員　鄭天眷　跟伴四名
在船使者二員　東之椿／毛維幹　 跟伴八名
存留通事一員　　鄭育駿　跟伴六名
管船夥長・直庫二名　阮宏道　善開基
水梢共に六十三名
右の執照は存留通事鄭育駿等に附し、此れを准けしむ
嘉慶八年（一八〇三）八月初七日

注（1）鄭育駿　嘉慶八年接貢の存留通事。
（2）毛維幹　嘉慶八年接貢の在船使者。『宝案』ではほかに嘉慶十二年接貢の在船使者として名がみえる（巻一〇二）。
（3）善開基　嘉慶八年接貢の管船直庫。『宝案』ではほかに嘉慶十年接貢の管船直庫（巻九九）、十三年の護送直庫（巻一〇四）、十五年進貢の管船直庫（巻一〇九）としても名がみえる。