2-15-23　国王尚敬の、接貢のため存留通事阮超群等に付した執照（雍正五《一七二七》、十、十）
琉球国中山王尚（敬）、進貢の官員を接回する事の為にす。
照得するに、雍正四年冬、特に耳目官毛汝龍・正議大夫鄭廷極等を遣わし、表章・方物を齎捧し、水梢を率領し、船二隻に駕して閩に来たる。已経に福建等処承宣布政使司に移咨し、起送して京に赴き、聖禧を叩祝せんとす。進京の官伴及び存留の官伴を除くの外、所有の両船の員役は、謝恩の貢使向得功等と同に本年の夏汛に帰国す。今、旧例に遵い、特に都通事鄭国柱等を遣わし、水梢共に八十員名を率領し、海船一隻に坐駕して前来し、皇上の勅書併びに欽賜の物件、及び京より回る貢使毛汝龍等を迎接せんとす。
茲に所拠の差去せる員役は、並えて文憑無ければ、誠に所在の官軍の阻留して便ならざるを恐る。此れが為に理として合に執照を給発し、以て通行に便ならしむべし。今、王府、礼字第十二号の半印勘合執照を給し、存留通事阮超群等に付して収執して前去せしむ。如し経過の関津及び沿海の巡哨官軍の験実に遇えば、即便に放行し、留難して遅悞するを得る毋かれ。須らく執照に至るべき者なり。
計開す
都通事一員　　鄭国柱　　　　　人伴五名
使者二員　　　楊天祥　銭順徳　人伴八名
存留通事一員　阮超群　　　　　人伴六名
管船夥長・直庫二名　金聘　慶続照
水梢共に五十五名
右の執照は存留通事阮超群等に付し、此れを准ず
雍正五年（一七二七）十月初十日

注（1）阮超群　生没年不詳。久米村系阮氏。汀間親雲上（『家譜（二）』三二九頁、蔡光祖の譜）。『宝案』では乾隆五年の都通事（巻二四）、十四年に中国漂着民の護送船の都通事（巻三〇）、十九年の結状では正議大夫（巻三十九）、二十一年に進貢の副使正議大夫（巻四〇）として名がみえる。
（2）楊天祥　雍正五年の在船使者。『宝案』では雍正二年の在船使者としても名がみえる（巻一四）。
（3）銭順徳　雍正五年の在船使者。
（4）金聘　康煕四十～乾隆三年（一七〇一～三八）。久米村系金氏十一世（目取真家）。雍正五年に管船夥長を務めた後、七年に読書習礼のため福建に赴き、九年に帰国した（『家譜（二）』一二六頁）。