1-42-32　琉球国中山王尚清の、毛是等を暹羅等の国へ遣わす執照（一五四〇、九、一二）
琉球国中山王尚清、進貢等の事の為にす。
切に照らすに、本国は産物稀少にして貢物を欠乏し、深く未便と為す。此の為に今、特に正使毛是・通事蔡朝慶等を遣わし、宙字号海船一隻に坐駕し、磁器等の貨を装載し、暹羅等の国の出産の地面に前往して両平に蘇木・胡椒等の貨を収買せしむ。回国して預め下年に大明天朝に進貢するに備う。
所拠りて今差去する人員は、別に文憑無くば誠に所在の官司の盤阻して便ならざるを恐る。王府、除外に今、黄字三十九号半印勘合執照を給して通事蔡朝慶等に付し、収執して前去せしむ。如し経過の関津把隘の去処及び沿海巡哨の官軍の験実に遇わば、即便に放行し、留難して因って遅悞して便ならざるを得しむる毋れ。所有の執照は須らく出給に至るべき者なり。
今開す
正使一員　毛是
副使二員　賈満度　寿達路
通事二員　蔡朝慶　鄭元
管船火長・直庫二員　蔡廷貴　鄔剌瑞
梢水共に一百三十四名
嘉靖十九年（一五四〇）九月十二日
右の執照は通事蔡朝慶等に付し、此れに准ぜしむ
進貢等の／事の為にす　執照

注（1）蔡廷貴　久米村蔡氏（儀間家）六世（『家譜（二）』二五四頁）。