1-42-28　琉球国中山王世子尚清の、王金等を暹羅等の国へ遣わす執照（一五三三、八、二〇）
琉球国中山王世子尚清、見に進貢等の事の為にす。
切に照らすに、本国は産物稀少にして貢物を欠乏し、深く未便と為す。此の為に今、正使王金・通事林椿等を遣わし、天字号海船一隻に坐駕し、磁器等の貨を装載し、暹羅等の国の出産の地面に前往して両平に蘇木・胡椒等の物を収買せしむ。回国して預め下年に大明天朝に進貢するに備う。
所拠りて今差去する人員は、別に文憑無くば誠に到処の官司の盤阻して便ならざるを恐る。王府、除外に今、黄字十八号半印勘合執照を給して正使王金等に付し、収執して前去せしむ。如し経過の関津把隆の去処及び沿海巡哨の官軍の験実に遇わば、即便に放行し、留難して因って遅悞して便ならざるを得しむる毋れ。所有の執照は須らく出給に至るべき者なり。
今開す
正使一員　王金
副使者二員　達魯毎　馬吾剌
通事二員　林椿　林喬
管船火長・直庫二名　沈祥　鄔羅瑞
梢水共に一百五十名
嘉靖十二年（一五三三）八月二十日
右の執照は正使王金・通事林椿等に付し、此れに准ぜしむ
進貢等の／事の為にす　執照