1-42-25　琉球国中山王世子尚清の、馬沙開等を仏大泥等の国へ遣わす執照（一五二九、二、一一）
琉球国中山王世子尚清、進貢等の事の為にす。
切に照らすに、本国は産物稀少にして貢物を欠乏し、深く未便と為す。此の為に今、正使馬沙開・都通事梁傑等を遣わし、義字号小船一隻に坐駕し、磁器等の貨を装載し、仏大泥等の国の出産の地面に前往して両平に蘇木・胡椒等の物を収買せしむ。回国して預め下年に大明天朝に進貢するに備う。
所拠りて今差去する人員は、別に文憑無くば誠に到処の官司の盤阻して便ならざるを恐る。王府、除外に今、黄字四号半印勘合執照を給して正使馬沙開等に付し、収執して前去せしむ。如し経過の関津把隘の去処及び沿海巡哨の官軍の験実に遇わば、即便に放行し、留難して因って遅悞して便ならざるを得しむる毋れ。所有の執照は須らく出給に至るべき者なり。
今開す
正使一員　馬沙開
副使一員　馬吾剌
都通事一員　梁傑
副通事一員　林盛
火長一名　田輝
管船直庫一名　麻五郎
梢水共に九十名
嘉靖八年（一五二九）二月十一日
右の執照は正使馬沙開・都通事梁傑等に付し、此れに准ぜしむ
進貢等の／事の為にす　執照

注（1）林盛　久米村林氏（名嘉山家）四世（『家譜（二）』九一九頁）。