1-42-15　琉球国中山王尚真の、亜佳周等を暹羅等の国へ遣わす執照（一五一七、九、一五）
琉球国中山王尚真、進貢等の事の為にす。
切に本国は産物稀少にして貢物を欠乏するに縁り、深く未便と為す。此の為に今、正使亜佳周・通事梁傑等を遣わし、信字号海船一隻に坐駕し、磁器等の物を装載し、暹羅等の国の出産の地面に前往して両平に蘇木・胡椒等の貨を収買せしむ。回国して預め下年に大明天朝に進貢するに備う。
所拠りて今差去する人員は、別に文憑無くば誠に到処の官司の盤阻して便ならざるを恐る。王府、除外に今、玄字二百十一号半印勘合執照を給して正使亜佳周・通事梁傑等に付し、収執して前去せしむ。如し経過の関津把隘の去処及び沿海巡哨の官軍の験実に遇わば、即便に放行し、留難して因って遅悞して便ならざるを得しむる毋れ。所有の執照は須らく出給に至るべき者なり。
今開す
正使一員　亜佳周
副使二員　麻美子　馬五剌
通事二員　梁傑　高義
火長　紅芝
管船直庫　紐古
梢水共に百十二名
正徳十二年（一五一七）九月十五日
進貢等の／事の為にす　執照　右の執照は正使亜佳周・通事梁傑等に付し、／此れに准ぜしむ