1-33-18　国王尚豊の、進貢のため紫金正議大夫蔡堅等を遣わす執照（一六三八、一〇、二〇）
琉球国中山王尚（豊）、進貢の事の為にす。
聖旨を奉ずるに、三年両次に朝貢せよ、とあり。此れを欽む。欽遵して案照するに、崇禎十一年（一六三八）は例として歳期に該り、理として合に進貢すべし。此の為に今、特に紫金正議大夫・使者・都通事等の官の蔡堅等を遣わし、表・箋・咨文を齎捧し前来して進貢せしむ。因りて海船二隻を備え、毎船に煎熟硫黄六千三百斤・馬五匹・螺殻一千五百個等の方物を載運し、又、熟黄三千七百斤を補いて福建等処承宣布政使司に前赴して投逓し、起送して京に赴く。拠りて差去する員役は、並びに文憑無くば誠に所在の官軍の盤阻して便ならざるを恐る。理として合に給照して以て通行に便ならしむべし。此の為に王府、仁字第四十六号半印勘合執照を給出し、通事梁廷幹等に付与し、収執して前去せしむ。如し経過の関津把隘の去処及び沿海巡哨の官軍の験実に遇わば、即便に放行し、留難し稽遅して便ならざるを得しむる毋れ。須らく執照に至るべき者なり。
計開　　　　赴京の
紫金正議大夫一員　蔡堅　人伴十三名
使者一員　毛継善　人伴八名
都通事一員　阮士乾　人伴八名
存留在船都通事一員　王克善　人伴五名
存留在船使者二員　応旼起　顧承達　人伴四名
存留在船通事一員　梁廷幹　人伴二名
管船火長・直庫二名　林有柱　藍宝
梢水共に五十七名
右の執照は存留通事梁廷幹等に付し、此れに准ぜしむ
附搭の土夏布一百匹
崇禎十一年（一六三八）十月二十日給す
執照