1-33-10　世子尚豊の、冊封使の迎接のため正議大夫林国用等を遣わす執照（一六三二、九、一七）
琉球国中山王世子尚（豊）、王爵を請封し愚忠を効し盛典を昭らかにする事の為にす。
崇禎五年（一六三二）六月初五日、欽差の正使戸科左給事中杜（三策）・欽差の副使行人司司正楊（掄）の咨を承准するに、前事あり。称するを蒙るに、艦工竣ると雖も桅木求め難く風汛既已に時を逾え、吉期は応に来夏を須つべし。此の為に備繇して、官を遣わし奉迎するに、理として合に移咨し回復して前去すべし。査照して施行せよ、等の因あり。
此れを准け、奉行す、等の因あり。仰ぎ瞻るに、使命の厳重にして大礼の繋関すれば、理として合に重復して奉迎すべし。為に咨して正議大夫・使者・通事等の官の林国用等を遣わし、往赴して迎接せしむ。合行に給照して以て通行に便ならしむべし。此の為に今、仁字第三十号半印勘合執照を給し、後に開す員役に付与し、収執して前去せしむ。如し津関の去処の験実に遇わば、即便に放行し、稽遅し違悞して便ならざるを得しむる毋れ。須らく執照に至るべき者なり。
計開
正議大夫一員　林国用　人伴十名
使者二員　吉時逢　馬自騘　人伴四名
通事二員　梁沢民　王克善　人伴五名
管船火長・直庫二名　鄭賢　宝喜
梢水共に七十八名
右の執照は通事梁沢民・王克善等に付し、此れに准ぜしむ
崇禎五年（一六三二）九月十七日給す
執照

注（1）咨　二人の咨のうち杜三策のものは、〔〇八-〇八〕。なお、この咨文よりあと、杜三策は戸科左給事中の肩書である。
（2）梁沢民　一六〇五-四四年。金城親雲上。久米村呉江梁氏（亀嶋家）七世（『家譜（二）』七六四頁）。