1-33-07　世子尚豊の、冊封使の迎接のため都通事林世政等を遣わす執照（一六三一、三、一六）
琉球国中山王世子尚（豊）、天使を迎接する事の為にす。
此れに拠るに前事あり。旧年（一六三〇）十月内、経に正議大夫蔡廛を差わし、梢卒を帯領し、迎接せしめ去後なるも、未だ批廻、示諭を蒙らず。大礼の関る所、合行に接踵して奔迎し、奉候すべし。此の為に続いて員役を遣わし、咨を捧じ、福建等処承宣布政使司に前往して告投せしむ。起赴の欽差の正使戸科給事中杜（三策）・欽差の副使行人司司正楊（掄）を奉じ、俯伏して迎接するを請う、等の因あり。
此の為に都通事一員林世政を差わし、即便に文を捧じ、来朝の船隻に附搭せしむ。合に就ち給照し、以て疏行に便ならしむべし。此の為に王府、今、仁字第二十七号半印勘合執照を給し、原遣の通事林世政に付し、収執して前去せしむ。如し津隘の去処の験実に遇わば、即便に放行し、遅留して便ならざるを得しむる毋れ。須らく執照に至るべき者なり。
計開
都通事一員　林世政　人伴四名
右の執照は都通事林世政に付し、此れに准ぜしむ
崇禎四年（一六三一）三月十六日給す
執照

注（1）奉候　貴人の御機嫌を伺う。
（2）疏行　疏は、さわりなく通る、の意。