1-32-22　国王尚寧の、万暦四十五年派遣の使者の消息をたずねて都通事陳華等を遣わす執照（一六一九、二、一一）
琉球国中山王尚（寧）、公務の事の為にす。
照得するに、万暦四十五年（一六一七）十月内、王舅・正議大夫等の官の毛継祖・蔡堅等を差わし、船隻に坐駕し、咨文を齎捧し、福建省に前赴して公幹せしめ、去きてより今に迄るまで春秋両迭するも、未だ帰国に及ばず、人をして懸頸せしむ。理として合に差遣して端的の縁由を訪探せしむべし。此の為に特に都通事一員・使者一員の陳華・麻居刺等を遣わし、後に開す人伴・水梢等の役を帯領し、土小船一隻に坐駕し、渡海して前去し、王舅毛継祖等の船隻の消息の縁由を訪探し、国に到りて回報せしむ、等の情あり。仍お順便もて硫黄四百斤を運載し、福建等処承宣布政使司に前赴し、告投して収貯せしむ、等の因あり。差去する員役は、別に文憑無くば誠に所在の官司の盤阻して便ならざるを恐る。合行に給照すべし。此の為に王府、今、洪字第七十号半印勘合執照を給し、都通事陳華等の員役に付し、収執して前去せしむ。如し経過の関津把隘の去処の験実に遇わば、即便に放行し、留難し遅悞して便ならざるを得しむる毋れ。須らく執照に至るべき者なり。
計開
都通事一員　陳華　人伴五名
使者一員　麻居刺　人伴二名
梢水共に八名
右の執照は都通事陳華等に付し、此れに准ぜしむ
万暦四十七年（一六一九）二月十一日給す
執照