1-32-21　国王尚寧の、上奏文のとりつぎを請うため王舅毛継祖等を遣わす執照（一六一七、一〇、□）
琉球国中山王尚（寧）、転疏して聖聴に啓呈し、藩情を俯察し顚危を鑑照するを懇恩す等の事の為にす。
特に、王舅毛継祖・正議大夫蔡堅等を遣わし、疏章一通・咨文五道を齎捧せしむ。小船一隻に坐駕し、風濤を険渉し、福建等処承宣布政使司并びに撫按両院・道等の衙門に前赴して投逓す。拠りて差遣する員役は、別に憑引無くば誠に所在の官司の盤阻して便ならざるを恐る。合に就ち給照して以て通行に便ならしむべし。王府、今、洪字第六十八号半印勘合執照を給し、通事蔡廛・蔡錦等に付し、収執して前去し、公幹を導引せしむ。如し経過の関津把隘の去処の験実に遇わば、即便に放行し、留遅し違悞して便ならざるを得しむる毋れ。須らく執照に至るべき者なり。
計開
王舅一員　毛継祖　人伴一十名
正議大夫一員　蔡堅　人伴一十名
都通事一員　蔡廛　人伴五名
存留在船使者二員　温納金　阿卑次頼　人伴五名
存留在船通事一員　蔡錦　人伴三名
直庫・総管二名　独眼　葉継祖
梢水共に十二名
附搭の土夏布二百匹
右の執照は都通事蔡廛等に付し、此れに准ぜしむ
万暦四十五年（一六一七）十月　日給す
執照

注（1）憑引　文憑に同じ。〔二八-〇三〕注（1）参照。