1-32-17　国王尚寧の、貢期に遅れたことを詫びて進貢するため王舅毛鳳儀等を遣わす執照（一六一〇、一、二〇）
琉球国中山王尚（寧）、天恩もて遭乱を恤憐し、貢職を贖修するを懇乞す等の事の為にす。
今、特に王舅毛鳳儀、長史・使者・通事等の官の金応魁等を遣わし、水梢を率領し、土船一隻に坐駕し、并びに生硫黄四千斤を装載し、福建等処承宣布政使司に前赴して、前項の縁由を投報せしむ、等の情あり。今差わす員役は、並びに文憑無くば誠に所在の官司の盤阻して便ならざるを恐る。本府、除外に今、洪字第五十三号半印勘合執照を給し、存留通事蔡崇貴等に付し、収執して前去せしむ。如し経過の関津把隘の去処及び沿海巡哨の軍兵の験実に遇わば、即便に放行し、留難して遅悞して便ならざるを得しむる毋れ。須らく執照に至るべき者なり。
計開
王舅一員　毛鳳儀　人伴一十名
長史一員　金応魁　人伴一十名
使者一員　兪美玉　人伴五名
通事一員　蔡錦　人伴二名
存留在船使者二員　栢寿　呉自福　人伴五名
存留在船通事一員　蔡崇貴　人伴二名
管船火長・直庫二名　林世厚　馬故巴
水梢共に四十九名
右の執照は存留通事蔡崇貴等に付し、此れに准ぜしむ
万暦三十八年（一六一〇）正月二十日給す
執照