1-32-15　国王尚寧の、進貢のため長史鄭子孝等を遣わす執照（一六〇七、八、二五）
琉球国中山王尚（寧）、進貢等の事の為にす。
今、特に長史・使者・通事等の官の鄭子孝等を遣わし、表箋文各一通を齎捧せしむ。海船一隻に坐駕し、馬四匹・生硫黄一万斤を装載して京に赴き進貢す。所拠りて今差去する人員は、別に文憑無くば誠に所在の官司の盤阻して便ならざるを恐る。本府、除外に今、洪字第四十五号半印勘合執照を給し、通事林世重等に付し、収執して前去せしむ。如し経過の関津把隘の去処及び沿海巡哨の官軍の験実に遇わば、即便に放行し、留難し遅悞して便ならざるを得しむる毋れ。所有の執照は須らく出給に至るべき者なり。
計開　　赴京の
長史一員　鄭子孝　人伴一十名
使者一員　呉儀子　人伴五名
都通事一員　阮明　人伴三名
存留在船使者四員　馬三魯　顧庇　麻五刺　馬美珠　人伴八名
存留在船通事三員　林世重　林華　鄭宗　人伴六名
管船火長・直庫二名　梁賢　彭雅
附搭の土夏布二百匹
梢水共に四十七名
右の執照は通事林世重等に付し、此れに准ぜしむ
万暦三十五年（一六〇七）八月二十五日給す
執照

注＊『明実録』万暦三十六年十二月丙辰の条に関連の記事がある。
（1）梁賢　一五八一-一六六〇年。神谷通事親雲上。久米村呉江梁氏（亀嶋家）五世（『家譜（二）』七六三頁）。