1-32-14　国王尚寧の、冊封使の帰朝の消息をたずねて使者馬三魯等を遣わす執照（一六〇七、三、八）
琉球国中山王尚（寧）、天使の回駕するに音信を詢問す等の事の為にす。
聖恩もて、二位の、欽差の工科都給事中夏（子陽）・行人司行人王（士楨）等の員役を差わし、海船に坐駕し、万暦三十四年（一六〇六）六月内、国に到りて、勅を頒ち皮弁冠服を齎賜するを荷蒙す。封建の事畢り、十月二十一日に回駕す。且つ本国は仍お王舅・大夫・使者・通事等の官の毛鳳儀等の員役を差わして謝恩せしむ。船は就ち十一月二十一日、開洋する外、第だ、山海の阻隔するに縁り、音信知る莫し。此の為に今、使者・都通事の梁順等の官を差わし、夷梢を率領し、本国の小船に坐駕し、福建地方に前去して、回朝等の消息を採探せしむ。仍お生硫黄二千斤を齎載して以て前年の貢儀を補う。合に洪字第四十三号半印勘合を給し、都通事梁順等に付し収執して前去せしむべし。如し経過の関津把隘及び沿海巡哨の官軍の験実に遇わば、即便に放行し、留難し遅悞して便ならざるを得しむる毋れ。所有の執照は須らく出給に至るべき者なり。
計開
使者一員　馬三魯　人伴四名
都通事一員　梁順　人伴四名
通事一員　林世重　人伴二名
管船火長・直庫二名　林俊　馬〓（木＋亜－丨）美
梢水共に三十名
右の執照は都通事梁順等に付し、此れに准ぜしむ
万暦三十五年（一六〇七）三月初八日給す
執照