1-32-09　世子尚寧の、進貢と請封のため長史蔡奎等を遣わす執照（一六〇〇、八、一九）
琉球国中山王世子尚（寧）、進貢、請封等の事の為にす。
今、特に長史・使者・通事等の官の蔡奎等を遣わし、表文一通を齎捧せしむ。夷梢を率領し、土船一隻に坐駕し、馬四匹・生硫黄一万九千斤、内九千斤は以て上の貢の少しく欠きたる磺斤を補う、を装載し、齎して福建等処承宣布政使司に赴き交納す。所拠りて今差去する人員は、別に文憑無くば誠に所在の官司の盤阻して便ならざるを恐る。王府、除外に今、洪字第二十二号半印勘合執照を給し、都通事梁順等に付し収執して前去せしむ。如し経過の関津把隘の去処及び沿海巡哨の官軍の験実に遇わば、即便に放行し、留難して因って遅悞して便ならざるを得しむる毋れ。所有の執照は須らく出給に至るべき者なり。
計開　　　赴京の
長史一員　蔡奎　人伴一十名
使者二員　毛如凰　毛鳳威　人伴九名
通事一員　梁守徳　人伴二名
存留在船使者二員　馬三魯　馬珠　人伴四名
存留通事二員　梁順　王立思　人伴五名
管船火長一名　林世忠
犯人一名于㶚
梢水共に七十八名
附搭の土夏布二百匹
右の執照は通事梁順・王立思等に付し、此れに准ぜしむ
万暦二十八年（一六〇〇）八月十九日給す
執照

注＊『明実録』万暦二十九年七月丙辰の条に関連の記事がある。
（1）犯人一名于㶚　この記述の意味不明。