1-31-26　国王尚永の、進貢のため署大夫事都通事梁応等を遣わす執照（一五八六、九、二一）
琉球国中山王尚（永）、進貢の事の為にす。
今、特に署大夫事都通事梁応等を遣わし、表文一通を齎捧せしむ。本国の小船一隻に坐駕し、馬二匹・生硫黄六千斤を装載して京に赴き進貢す。所拠りて今差去する人員は、別に文憑無くば誠に所在の官司の盤阻して未便なるを恐る。本府、除外に今、宙字三十号半印勘合執照を給して通事金士歴等に付し、収執して前去せしむ。沿海の処所の巡海の哨船の官軍は、印信執照に遇わば即便に放行し、阻滞し刁難して公務を遅悞して便ならざるを得しむる毋れ。所有の執照は須らく出給に至るべき者なり。
計開
署大夫事都通事一員　梁応　人伴六名
使者一員　馬加度　人伴五名
通事一員　陳富　人伴二名
存留在船使者一員　菊寿　人伴二名
存留在船通事一員　金士歴　人伴二名
管船火長・直庫二名　卑加寧　万志気
梢水共に六十五名
当に貢すべきを除くの外、附搭の硫黄二千斤・馬二匹
万暦十四年（一五八六）九月二十一日給す
右の執照は通事金士歴に付し、此れに准ぜしむ
進貢の事の／為にす　執照

注（1）刁難　妨害する、邪魔をする。