1-31-15　世子尚永の、礼部の指示にしたがって請封するため長史梁燦等を遣わす執照（一五七五、一二、二一）
琉球国中山王世子尚永、勘合を遵奉し、王爵を襲封する事の為にす。
照得するに、万暦元年（一五七三）、官を差わして京に赴き王爵を請封せしむ。礼部の勘合の、福建等処承宣布政使司に転行し、備に本国に行するを蒙り、長史司、査勘して襲封の結状の縁由を回報す。今、長史・使者・通事等の官の梁燦等を差わし、土船一隻に坐駕し、人伴・梢水を率領し、前来して逓報せしむ。差わす所の人員は、別に文憑無くば誠に所在の官司の盤阻して便ならざるを恐る。王府、除外に今、宙字十一号半印勘合執照を給して通事鄭礼等に付し、収執して前去せしむ。如し経過の関津把隘の去処及び沿海巡哨の官軍の験実に遇わば、即便に放行し、留難して因って遅悞して便ならざるを得しむる毋れ。所有の執照は須らく出給に至るべき者なり。
今開す
長史一員　梁燦　人伴十名
使者三員　衛栄　馬嘉梅　麻金美　人伴九名
通事二員　鄭礼　蔡燫　人伴四名
管船火長・直庫二名　林華　馬文郎
梢水共に九十七名
万暦三年（一五七五）十二月二十一日
右の執照は通事鄭礼等に付し、此れに准ぜしむ
結状の事／の為にす　執照

注（1）万暦元年…請封せしむ　『明実録』万暦元年十一月乙巳の条に記事がある。
（2）礼部の勘合の…回報す　注（1）の『明実録』に「下礼部、行福建鎮巡等官、査勘具奏」とある。