1-31-05　国王尚元の、隆慶三年派遣の赴京の官員の消息をたずねて使者馬佳尼等を遣わす執照（一五七〇、二、一五）
琉球国中山王尚元、朝京の官員の消息を探聴する事の為にす。
本国は隆慶三年（一五六九）に貢期に適当すれば、特に王舅毛廉を差わし、長史蔡朝器等と同に、本国の小船二隻に坐駕し、共に礼儀を載して進貢し慶賀せしむ。福建布政使司の、例に照らして摘発し先に回国せしむるを蒙る。今、照らすに、原差わせる王舅毛廉・長史蔡朝器・使者衛栄・都通事鄭祐、併びに人伴周魯毎等は、表箋を齎して京に赴き、未だ曾て国に到らず。此の為に今、特に使者・都通事等の官の馬佳尼・呉桐秀・沈文等を遣わし、宇字三十九号半印勘合執照を付し、夷梢を率領し、本国の小船一隻を撑駕し、福建等の地方に前去し、王舅毛廉・長史蔡朝器等の消息を探聴して回国せしむ。如し経過の関津把隘の去処及び沿海巡哨の官軍の験実に遇わば、即便に放行し、留難して因って遅悞して便ならざるを得しむる毋れ。所有の執照は須らく出給に至るべき者なり。
今開す
使者二員　馬佳尼　呉桐秀　人伴四名
都通事一員　沈文　人伴三名
管船火長・直庫二名　林世明　彭金
梢水共に一百十四名
隆慶四年（一五七〇）二月十五日
右の執照は都通事沈文等に付し、此れに准ぜしむ
朝京の官員の消息を／探聴する事の為にす　執照