1-30-02　国王尚清の、進貢のため正議大夫陳賦等を遣わす執照（一五四三、二、一）
琉球国中山王尚清、進貢等の事の為にす。
今、特に正議大夫陳賦・使者馬善等を遣わし、表箋文各一通を齎捧せしむ。洪字号海船一隻に坐駕し、馬一十匹・硫黄二万斤を装載して京に赴き進貢す。所拠りて今差去する人員は、別に文憑無くば誠に所在の官司の盤阻して便ならざるを恐る。王府、除外に今、黄字四十七号半印勘合執照を給して存留在船都通事金昇等に付し、収執して前去せしむ。如し経過の関津把隘の去処及び沿海巡哨の官軍の験実に遇わば、即便に放行し、留難して因って遅悞して便ならざるを得しむる毋れ。所有の執照は須らく出給に至るべき者なり。
今開す　　　赴京の
正議大夫一員　陳賦
使者一員　馬善
通事一員　陳継栄
人伴一十四名
存留在船使者二員　王金　鄔刺瑞
存留在船都通事一員　金昇
人伴一十名
管船火長・直庫二名　陳継章　馬徳
梢水共に一百三十一名
嘉靖二十二年（一五四三）二月初一日
右の執照は都通事金昇等に付し、此れに准ぜしむ
進貢等の／事の為にす　執照

注＊この進貢については『明実録』嘉靖二十二年十一月丙辰の条に記事がある。
（1）陳継栄　生没年不詳。久米村陳氏（仲本家）六世（『家譜（二）』四八八頁）。
（2）陳継章　生没年不詳。久米村陳氏（仲本家）六世。火長や通事として明へ三回、暹羅へ二回渡航した（『家譜（二）』四八八頁）。