1-28-03　国王尚徳の、進貢のため長史蔡璟等を遣わす執照（一四六八、八、一五）
琉球国中山王尚徳、見に進貢等の事の為にす。
今、特に長史蔡璟を遣わし、同差の使者査農是等と、表文一通を齎捧せしむ。及び徳字号海船一隻に坐駕して馬一十五匹・硫黄二万斤を装載し、京に赴き進貢す。所拠りて今差去する人員は、別に文憑無くば誠に所在の官司の盤阻して便ならざるを恐る。王府、除外に今、地字一百二十五号半印勘合執照を給して存留在船通事鄭傑等に付し、収執して前去せしむ。如し経過の関津把隘の去処及び沿海巡哨の官軍の験実に遇わば、即便に放行し、留難して因って遅悞して便ならざるを得しむる毋れ。所有の執照は須らく出給に至るべき者なり。
今開す　　赴京の
長史一員　蔡璟
使者三員　明泰　野麻志　勿志麻
通事一員　林茂
人伴二十名
存留在船通事一員　鄭傑
火長　旧玉
管船直庫　看寧
梢水
右の執照は存留在船通事鄭傑等に付し、此れに准ぜしむ
成化四年（一四六八）八月十五日
執照

注＊この入貢については『明実録』成化五年二月戊申の条に記事がある。
（1）文憑　文引、関引等と同様、官より支給される通行許可証をいう（『明史食貨志訳註』六五〇頁）。また任官の証明書として朝廷から与えられる辞令（宣勅）をさすこともある。