1-25-26　国王尚清の、進貢謝恩のため長史蔡廷会等を遣わす符文（一五四七、三、七）
琉球国中山王尚清、進貢、謝恩等の事の為にす。
今、特に正議大夫陳賦を遣わし、長史蔡廷会等と同に、表箋文各一通を齎捧せしむ。海船一隻に坐駕し、馬六匹・硫黄一万斤を装載し、京に赴き進貢し、仍お礼部に赴き告稟して進収せしむる外、茲の諭遣を承くれば、途に在りて遅滞して便ならざるを得しむる毋れ。所有の符文は須らく出給に至るべき者なり。
今開す　赴京の
長史一員　蔡廷会
使者一員　鄔毎嘉尼
通事一員　鄭憲
人伴十七名
存留在船使者二員　越都　馬勃度
存留在船通事一員　蔡朝器
人伴七名
国王附搭の蘇木一千斤・胡椒一千斤
嘉靖二十六年（一五四七）三月初七日
右の符文は長史蔡廷会・通事鄭憲等に付し、此れに准ぜしむ
進貢謝恩等の／事の為にす　符文

注（1）蔡廷会　この進貢の際、給事中黄宗槩に私交して贈賄したことが発覚したが、貢使の故をもって罰は賞賜の削除のみにとどまり、罪は正使陳賦に及ばなかった（『明実録』嘉靖二十六年十二月辛亥の条）。
（2）鄭憲　生没年不詳。久米村鄭氏（村田家）七世。正議大夫（『家譜（二）』九四五頁）。
（3）蔡朝器　一五二五-八七年。喜友名親雲上。久米村蔡氏（儀間家）七世。渡明六回、官は正議大夫に至る（『家譜（二）』二五五頁）。
（4）七名　対応する執照〔三〇-〇六〕には六名とある。