1-17-10　国王尚巴志より礼部あて、進貢の咨（一四四〇、一〇、一六）
琉球国中山王尚巴志、見に朝貢等の事の為にす。
今、各件の事理を将て合行に開坐し移咨すべし。照験して施行するを請う。須らく咨に至るべき者なり。
計二件
一件、朝貢の事。今、長史梁求保等を遣わし、使者普斯古毎等と同に表文一通を齎捧し、及び勇字等号海船二隻に坐駕し、馬二十匹・硫黄四万斤を装載し、京に赴き朝貢し進収せしむ。咨して施行を請う。
一件、番貨の事。所有の各船の附搭の蘇木は本国の産する所に非ず、遠来する所以の物なり。煩為わくは遠人を利便するの事例に照依して、具奏して給価せんことを。誠に便益と為す。咨して施行を請う。
右、礼部に咨す
正統五年（一四四〇）十月十六日
朝貢等の事
勇字船　馬十匹・硫黄二万斤大　三万四千斤小
安字船　馬十匹・硫黄二万斤大　三万四千斤小
咨

注（1）尚巴志　『世譜』によれば正統四年四月二十日に死去している。又、梁求保は正統六年、尚巴志の死を報じて入朝しており（〔一二-一七〕〔一七-一一〕参照）、この入貢は翌年まで延期された可能性がある。
（2）硫黄二万斤大　三万四千斤小　二万斤大は煎熟した際の数量。三万四千斤小は実際に持参する生硫黄の数量。〔一六-二二〕注（8）を参照。