出前授業のご報告(山田小学校②)

 2023年2月3日(金)、恩納おんな村博物館にて山田小学校6年生を対象に、「恩納おんな村の文化財から琉球の歴史を知ろう」と題した出前授業を行いました。講師は恩納おんな村博物館の崎原恒寿つねひささん(恩納おんな村教育委員会)、野村直美(教育庁文化財課史料編集班)が務めました。

   「唐人墓碑」の解説をする崎原講師と受講する児童たち

 道光どうこう4(1824)年12月6日、恩納おんな村の仲泊なかどまり海岸に6名の中国人が漂着したことが『歴代宝案れきだいほうあん』に記載きさいされています。この漂着事件で死亡した人々の墓が、恩納おんな村博物館前に残されている「唐人墓碑とうじんぼひ」(恩納おんな村指定文化財)です。

 授業の前半では、崎原講師が、「唐人墓碑とうじんぼひ」の前で、墓碑ぼひきざまれた内容や保存の経緯けいいについて説明しました。児童たちは、この墓碑ぼひの存在を知らなかったか、もしくはどのようなものか認識していなかったようで、「はじめてこの墓碑ぼひの意味を知った」と驚きをもって耳をかたむけていました。

 後半では、場所を博物館研修室に移して、野村講師による『歴代宝案』と「琉球交易港図屏風りゅうきゅうこうえきこうずびょうぶ」(浦添うらそえ市美術館所蔵)を用いた体験学習が行われました。児童たちは2人一組となり、タブレット端末たんまつで「琉球交易港図屏風りゅうきゅうこうえきずびょうぶ」にえがかれた風景や人物を拡大しながら、気が付いたことを付箋紙ふせんしに書き原寸大げんすんだい屏風びょうぶに貼っていきました。

タブレット端末たんまつで画像を確認する児童たち
原寸大げんすんだい屏風びょうぶ付箋紙ふせんしを貼る児童たち

 児童の振り返りシートからは、「『歴代宝案』には、いつ、どこで、どのような事が起きたか、など細かい情報もすべて書かれていることが分かった」「呂正ろせいは中国に帰った時、どういう気持ちだったのかな」など、今回の授業を通して、漂着事件を「自分事」としてとらえられている姿が見られました。

  なお、本授業で使用した教材は「もっと知りたい交流史」デジタル教材を参照ください。